【花とアリス殺人事件・感想】ありきたりだけど、誰にでも身近にある冒険譚

凄惨な殺人事件を、2人の女子が解決すると思ったら…

原作は岩井監督の「花とアリス」ですね。岩井監督といえば「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」が有名かと思います。アニメ化もされましたが…まぁ、不作?に終わってしまった悲しい作品です。

しかし今作の「花とアリス殺人事件」は良かった。原作とはちょっと違うようですが、ありきたりなようで、どこにでもある、何となく普通だけど、少し違う、作品の味のようなものがヒシヒシ伝わりました。

また3Dモーションという技術を使ったアニメのため、少し苦手な人もいるかもしれませんが…まぁ、観ていると気になりません。むしろ作品の良さを引き立てているように感じました。


登場人物のアリスと花ですが、どちらも思春期には痛い傷を負っていますが、どちらもそれを感じさせない図太さと元気さを持っています。それが逞しくも感じ、子供っぽさもどこかに感じるのです。


また「殺人事件」とタイトルに付いていますが…これは物語を見ていけば分かります。なるほど。ミステリーな気がして青春?みたいな。なんとなく…観ていきながら、あぁ、こういう展開か。甘ーい!みたいな。


ネタバレになるかもしれませんが、重い映画ではないので安心してください。女子2人の戯れみたいな…そんな感じの映画です。


もちろんミステリーもあります。一応…最後まで謎が解明されていないみたいな場面もありますが、徐々に解き明かされていき、最後は、甘いですね。うまく言えないけど。いや、甘いというより痛い?一生忘れられない痛さ、そんな感じがする。うん。


あと、記事のタイトルに「冒険譚」と付けましたが、たしかに真相を探るために彼女たちは冒険します。もちろんジャングルを体験する訳じゃありませんが、真相を求めてオフィス街や住宅街、公園から店、駅、駐車場などなどを練り歩きます。おまけに途中途中、さまざまなハプニングに見舞われたり…

こういう…身近にあるけど、ちょっと遠い。そして、そんな、身近にある遠い場所まで目的を遂げに行く。冒険ですよね。僕は憧れます。こういうの。うん。


それにしても…原作と同じように2人の女優を声優として起用しているのは流石ですね。蒼井優さんも声優として演じられているのですが、わからなかった。上手すぎて。

最後は後腐れなく終わります。良い感じで女子中学生の青春で終わる感じ。女子中学生だよね…?


P.S. 「離婚」の2文字は笑った…