【英国王のスピーチ・感想】勇気と友情と決意が導いた克服のスピーチ

励まされる…勇気が出てくる映画です。

吃音ってキツイですよね。僕は吃音ではないのですが、自分の声にコンプレックスを持ってます。例えば声が小さかったり、「し」が発音できなかったり、滑舌か悪かったり。

こういった声に対すらコンプレックスを持っていると、人前で話すことさえ憚られ、嫌になる。

こういった人の事情も知らずに、からかわれると、その場を乗り切ったようで…なんだか自分のプライドが傷ついているようで、何となく嫌になる。まるで自分のコンプレックスを大勢の人に笑われているような。


この作品の主人公である英国王こと「ジョージ6世」は、兄がろくでなしであるため、国王に就任します。この時代の国王は政治に対して大きな権力を持っている訳ではなく、権威の象徴として国民に声を届ける役割が主です。

しかしジョージ6世は吃音。人前のスピーチでは自分の声を大勢の人たちに届けることができない。緊張が原因なのか、または別の原因か…そんな姿を見て心を痛めている妻のエリザベスの心境がヒシヒシと伝わります。応援したくなる…

そんなジョージ6世を救うために多くの医者、学識者に依頼しますが、全く治らず。最後に駆けつけたのはオンボロのビルにある診療所。そこにいた「ライオネル」に夫の診療を依頼します。

ジョージ6世も最初は不機嫌で、彼の態度にも不満。診療途中で診療所を飛び出してしまいます。しかし帰りに渡されたレコードを聴いてみると、そこにはスムーズに発する自分の声が…

徐々に吃音を克服していくジョージ6世。ライオネルとの喧嘩を繰り返し、無茶な診療を繰り返しても、何度も何度も自分の運命に立ち向かうように、声を発し続けます。そして国王としても大きく成長していくのです。


また彼が国王になった時、戦争の足音も近づいてきました。ナチスドイツ。ヒットラー率いるドイツとの戦争が近づいていたのです。ヒットラーといえば、ジョージ6世とは対照的に演説が上手い人間。自分よりスピーチが上手い人間を意識さぜるを得ないのも、彼の過酷さが伝わります。


逃げ出すことも出来ず、吃音を克服できずに涙を流し、ネガティブになり、気持ちがどんどん暗くなっていきますが、その度にエリザベスやライオネルに励まされ(ライオネルの励まし方は少し違うかも…)やがて国王として決意し、自分の使命を全うしようとするのです。


とても勇気が出る映画です。そして、声にコンプレックスを持っている人なら、ジョージ6世の気持ちが非常によく伝わるはずです。おすすめです!ぜひ、ご覧になってみて下さい。


あ、あと、個人的には「チャーチル」が出てきたところに湧きました。しかめっ面なんですが、彼なりの優しさやユーモアが感じられます。

チャーチルといえば彼が題材となった「ウィストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」がオススメです!こちらも是非。


P.S. ちなみに、最初から「ジョージ6世」ではありませんでした。これは国王になってからの名前。ではジョージ6世になる前は何と呼ばれていたのか?それは、ご自身の目でご覧ください!